増毛茂生くんAGA家系なのに、髪の毛がどのように生えてくるか考えたことがなかったです。



発毛は実に精緻なしくみで行われています。
発毛のしくみ知れば、なぜAGAになるのか?いつAGA治療を始めればよいのか?なぜ効果がすぐ現れないのか?など、多くの疑問が氷解します。
AGAを理解するための基本として発毛のしくみを知っておきましょう。
発毛は爪と似ているが爪と違い生え変わりがある



イメージとしては、毛髪ができるのは、爪が伸びるのと同じ細胞現象です。つまり、細胞が増えて細胞自身が分化・角化して毛髪や爪などの角質組織に変化するのです。



爪切りに散髪。どちらも切らないと伸び続けますね。



ひとつ違いがあります。爪は生きている限り伸び続けますが、頭髪は平均5年の寿命で生え変わる点がです。



なぜ毛髪には寿命があるのですか?



それはまだ謎です。一説には、「毛包は次第に毛をつくる力を失うため、毛をつくり出す仕組みを新しく作り替えます。そのため一度、毛球部を含む下の部分をなくし、新しいものにするのです」のように考えられています。



いずれにせよ、頭髪には寿命があるからAGAという病気が起きるのです。
髪組織をつくる毛包が髪の命





どの細胞が毛髪になるのですか?



毛母細胞という細胞です。



名まえ通りですね。毛髪の母となる細胞。



はい。この毛母細胞が毛根にある「毛包」の中に数多く存在します。毛包とは皮膚の中に存在して、いわば「毛髪を作る工場」として働いています。毛包での発毛の様子をまとめてみましょう。
【毛包における発毛プロセス】
毛包の中には「毛乳頭」と呼ばれる発毛の司令本部があり「毛乳頭細胞」が働いています。
毛乳頭のまわりを毛髪の種になる「毛母細胞」と毛髪の色をつくる「メラノサイト」が取り囲んでいます。
毛乳頭細胞が、種々の発毛因子(図参照)を産生すると、それに反応して毛母細胞たちは活発に分裂・増殖を行い、自身が角化して硬い毛髪組織に変化してきます。
発毛因子は、種々の細胞成長因子からなります。
メラノサイトたちは色素(ケラチン)を毛母細胞に与えて毛髪組織に色を与えます。
こうした毛包の活発な発毛は数年間持続します。ヘアサイクルの「成長期」といいます。


数年に1回発動する脱毛指令



頭髪に寿命があるということは「発毛」だけではなく「脱毛」させるしくみがあるということです。



その脱毛のしくみがコントロールから外れて強く働いてしまうのがAGAとも言えます。



脱毛のしくみを教えてください。
【脱毛プロセス】
毛乳頭細胞が種々の脱毛因子(図参照)を出して、毛母細胞の増殖を止め、アポトーシス死を誘導し、毛母細胞を減らします。つまり、発毛は止まります。この時期が、約2週間続き「退行期」といいます。毛包は萎縮していきます。
毛髪は退行期を経て、毛乳頭との接続を失い、こん棒のような毛根がただ毛穴にささっているだけの状態になります。自然脱毛を待つ状態です。毛乳頭は不明瞭になり,毛包は萎縮します。この状態は「休止期」と呼ばれ、3~4カ月続きます。


正常:長い成長期と短い休止期/AGA:短い成長期と長い休止期





数年の長い発毛と数か月の短い脱毛が繰り返されるため、ヘアサイクル(周毛期)という考え方をします。繰り返しになりますが、ヘアサイクル中心にまとめてみましょう。
【ヘアサイクル(毛周期)】
《成長期(anagen)》発毛指令は2~6年ほど続き、毛母細胞が活発に分裂・増殖を繰り返して毛母細胞自身が毛髪組織になり髪を送り出します。この時期がヘアサイクルの大部分を占め、成長期と呼ばれています。
なぜ、成長期というかというと毛髪が伸び続けると毛包は大きくなり、より太い毛髪を作るようになるからです。
《退行期(catagen)》髪の寿命が来ると脱毛指令が始まり、約2週間の退行期で毛母細胞が死んで毛包が萎縮します。
《休止期(telogen)》毛乳頭は形を失い、毛髪はただ毛穴にささっているだけの状態になり順に抜けていきます。3~4か月続きます。休止期は次の発毛の準備と考えられています。



AGAは、成長期が数か月と極端に短くなり、逆に休止期が延長するのです。



発毛と脱毛が逆転するのですね。
この記事のまとめ


毛髪は根元にある毛包という場で作られます。毛乳頭細胞が発毛指令を出すと、毛母細胞がどんどん増えて毛髪は伸び続けて太くなっていきます。このため「成長期」と呼ばれます。
毛髪は2~6年間伸び続け、寿命が来ると、毛乳頭細胞が出す指令が脱毛指令に変わります。すると、毛母細胞は消失し毛包は3~4カ月間のお休みに入ります。「休止期」といいます。
この成長と休止を繰り返すことをヘアサイクルといいます。毛包が脱毛優位になり、成長期が短縮し、休止期が長くなるのがAGAです。


