このブログを読めば、自毛植毛クリニックの治療費についての理解が深まります
このブログは年間800件の手術をこなす外科医によるアフィリエイトブログです。医師と患者の立場からAGA治療の正しい情報を追求していきます。
増毛くん植毛は高額な費用が高いハードルになりますね。



医療ローンが使えるとはいえ、いっきにかかってくる負担感が大きいです。



値段も安くて、技術も高いクリニックがあればよいのに。



技術は数値化しにくいですが、手術費用自体は数字なので、比較は簡単です。



じゃあ、コスパが簡単にわかりますね。



ところが、そう簡単にはいかないのです。



どうしてですか?



治療費と真のコスパは、必ずしも一緒じゃないからです。



このブログでは、自毛植毛の費用について調査した結果をまとめます。
費用の見かた
後ろ髪を採取する術式には、FUEとFUTがあります。
一般的に、FUTの方が価格が安く、FUEの方が高いです。
その理由は、FUEの方が採取する手間がかかるためです。
では、安いFUTを選ぶべきでしょうか?
否
FUEか、FUTかの選択は、価格ではなく、各術式のメリット・デメリットを考慮して決めてください。
そして、FUE、あるいはFUTと決めたら、その中で価格を比較されると良いと思います。
FUEとFUTのどちらにするかは、次のブログを参考にしてください。


FUEとFUTに分けて価格の比較表を作成してみます。
費用の比較(税込み):FUEの場合
では、みなさんがいちばん知りたいFUE法の価格をみていきましょう。
FUE法は、1株1株専用パンチで採取していきますので、「1株あたりいくら」という価格設定になります。
わかりやすいですね。
通常のFUE法とノンシェイブFUE法
FUEの場合は、通常のFUE法とノンシェイブFUE法で価格が違います。
通常のFUE法は、採取する後頭部の髪を1~2mmの長さに刈り上げて行います。
毛の生える向きや角度がよくわかり、採取もしやすいため、スムーズに進みます。
しかし、株数に応じて4~8cm×20cmの広い範囲を刈り上げるため、術後に目立ってしまい、ウィッグでごまかす必要があります。
そこで、刈上げを行わずにFUE採取を行う、ノンシェーブンFUEが行われるようになりました。
ノンシェーブンFUEは、採取する毛だけを短くカットして採取し、他の毛は切らないため、翌日から後ろ髪が植毛したとはわかりにくいメリットがあります。
高い技術を必要とし、時間もかかるため、価格も高くなるというデメリットがあります。
詳細は、別のブログを参考にしてください。
価格一覧
価格一覧表と一覧表を見るポイントをまとめてみます。
- 価格一覧表
- 比較するポイント
価格一覧表
通常FUEの1株あたりの価格が安い順に掲載します。
カウンセリング費用の有無や検査費の有無は、総治療費のなかでは小さく、選考の材料とはならないと考えて省略しています。
| TOMクリニック | 湘南美容外科 | アーツ銀座クリニック | アスク井上クリニック | アイランドタワークリニック | ヘアー&スキンクリニック | 東京メモリアルクリニック | 親和クリニック | 紀尾井町クリニック | AGAスキンクリニック | ヨコ美クリニック | |
| 基本料金(通常FUE) | 350,000円 | 0 | 110,000円 | 220,000円 | 220,000円 | 0 | 0 | 220,000円 | 220,000円 | 220,000円 | 0 |
| 1株あたりの価格 (通常FUE) | 450円(1250株の場合) | 720円 | 770円 | 880円 | 990円 | 990円 | 990円 | 990円 | 990円 | 1,067円 | 1100円 |
| 基本料金(ノンシェーブン) | 0 | 220,000円 | 220,000円 | 0 | 0 | 330,000円 | 220,000円 | 0 | |||
| 1株あたりの価格 (ノンシェーブン) | 1株1,430円 | 1,430円 | 1,320円 | 1,760円 | 1,760円 | 2,200円 | 4,290円 | 要問合せ | |||
| 交通費・宿泊補助 | なし | 交通費補助(当日の総治療費による) | なし | 手術費用の3%を還元 | 初診時交通費、手術時交通費・宿泊費サポート | 手術日交通費補助 | なし | 交通費・宿泊費の一部補助(株数による) | 宿泊サービス(治療費税込88万円以上) | 初診と手術時の交通費補助 | なし |
| 施術方法 | ロボット | FUE ロボット | FUE | FUE | FUE | FUE | FUE | FUE | FUE | FUT | FUE |
比較するポイント
- 1株当たりの価格
- 基本料金
- 交通費・宿泊費補助
- ノンシェーブンFUE
1株当たりの価格
この価格が、いちばん総治療費に直結します。
1株550円~1100円と幅がありますが、990円のところが多いことがわかります。
TOMクリニックが、550円と際立って安いのは、ロボット植毛であるためと思われます。
ヨコ美クリニックが、1,100円と高めなのは、FUTを得意とするクリニックだからかもしれません。
当たり前ですが、株数に比例して治療費が増えるのがFUEの特徴と分かります。
基本料金
基本料金があるところとないところがあります。
これをどう考慮すべきか?
必要な株数が多い場合は、基本料金がかかっても、1株当たりの価格が安いところを選べば、総治療費が抑えられます。
必要な株数が少ない場合は、1株当たりの価格にこだわらず、基本料金がかからないところを選んだ方がお得かもしれません。
交通費・宿泊費補助
ここに紹介したクリニックは、都内にクリニックを出していますので、関東圏の人は交通費や宿泊費は出ませんので、選考の基準にはなりません。
遠方から手術を受けに来る方にとっては、交通費や宿泊費の補助のあるなしは、気になるところです。
クリニックにより補助の程度が違いますので、総治療費の中で、どの程度お得になるかを見てみる必要があります。
ノンシェーブンFUE
ノンシェーブンFUEの価格は、1,320円~4,290円と価格の幅が大きい印象です。
ノンシェーブンFUEは、後ろ髪が長いまま手術ができるので、手術をしたことがばれにくい方法です。
かなり高額になります。
人前に出る機会が多い人は、高くてもノンシェーブンFUEは価値があるかもしれません。
ちなみに空欄のクリニックは、ノンシェーブンFUEについての表記がないクリニックです。
ロボットFUEはノンシェーブンFUEができません。
費用の比較(税込み):FUTの場合
次に、FUT法の価格をみていきましょう。
FUTを行っているクリニックは、上記11クリニックのうち、4クリニックのみでした。
FUTは、1株づつではなく、株数により決めた面積の頭皮を切り取ってから、株分けして移植毛に加工する術式です。
つまり、FUEのように株数に比例して手間がかかる手術ではありません。
このため、ヨコ美クリニックのように、使用する株数のボリュームに応じて価格を決めるやりかたが多かったのですが、最近は、FUEに準じて1株当たりの価格で決めているところがほとんどです。
FUEより安いという印象がありましたが、そうとは限らないことがわかりました。
| 紀尾井町クリニック | 東京メモリアルクリニック | ヘアー&スキンクリニック | ヨコ美クリニック | |
| 基本料金 | 220,000円 | 0 | 110,000(1000株未満) 220,000(1000株以上) | 0 |
| 植毛価格 | 1株720円(FUEより安い) | 1株990円(FUEと同じ) | 1株1,100円(FUEより高い) | 500株467,500円 1,000株825,000円 1,500株1,100,000円 2,000株1,375,000円 2,500株1,650,000円 |
| 交通費・宿泊補助 | 宿泊サービス(治療費税込88万円以上) | なし | 手術日交通費補助 | なし |
| 施術方法 | FUT | FUT | FUT | FUE |
シミュレーション
簡単なシミュレーションをやってみます。
Aクリニックは、基本料金がかかるが1株あたりの価格は安い。
Bクリニックは、基本料金はかからないが、1株あたりの価格は比較的高い。
と仮定します。
Cさんが必要な株数は800株、Dさんは1200株必要とします。
これで計算すると下表のようになります。
| Aクリニック | Bクリニック | |
| 基本料金 | 200,000円 | 0 |
| 植毛価格 | 1株800円 | 1株1000円 |
| Cさん800株 | 860,000円 | 800,000 |
| Dさん1200株 | 1160,000 | 1200,000 |
つまり、株数の少ないCさんの総治療費は、基本料金のかからないBクリニックの方が安い。
株数の多いDさんは、1株の価格が安いAクリニックの方が安い。
という結果です。
必要な株数が多いほど基本料金の影響は小さくなるということです。
遠方のクリニックで手術を受ける方は、これに交通費や宿泊費の補助があるかないかが影響します。
日本の自由診療の価格は技術と比例するか?
治療費のブログですが、本当に価格だけで選んでよいのか疑問に思います。
価格より重要なのは、得られる満足。満足を生み出すのは、いろんな意味での技術です。
植毛の価格と技術が、比例していたとしたら、選びやすいと思いませんか?
実際はよくわからないというのが正直なところです。
日本には、「安かろう悪かろう」という言葉があります。
この言葉は、電化製品や自動車などの品物では、よく当てはまります。
これが、レストランの食事になると、すこしあいまいになります。
つまり、同じ値段でも、美味しいところとそうでないところがあります。
自由診療の医療では、さらにはっきりしなくなります。
「技術が高いほど高くなる」という市場原理があまり反映されていないと思います。
それはなぜか?
考えてみました。
- 医療技術のスペックが見えにくい
- 医療技術の結果はすぐわからない
- 技術を体験して比べられない
医療技術のスペックが見えにくい
まず、医療技術というものが目に見えにくいことが挙げられます。
たとえば、冷蔵庫を選ぶとき、目に見えるスペックというものがあります。
値段が安ければ、スペックも低い。
ユーザーは、納得して購入しやすいです。
では、手術技術のスペックとは何か?
冷蔵庫のようなわかりやすい直接のスペックは手術技術にはありません。
内々にはうまいへたはわかっていても、少なくとも表示されていません。
強いて言うと、
- 医師の経験年数
- クリニックの症例数
が開示されています。
ダイレクトではありませんが、こうした情報と口コミから技術を推測するしかないのが現状です。
このため、クリニック側が力を入れているのが、ブログやYouTubeなどのSNSです。
ブログやSNSからは、医師の人柄や手術の考え方は伝わってきますが、やはり、実際の技術まではわからないの実情ですね。
医療技術の結果はすぐわからない
レストランの料理は、美味しいかどうかは、その場ですぐわかります。
安くても、まずかったら、次は利用しないことが多いと思います。
手術の結果は、すぐにはわかりません。
痛いとか看護師が優しいとか、そういったことは手術の時に感じることができますが、技術が高いかどうかは、その場ではわかりにくいものです。
自毛植毛の場合は、早ければ6か月、実際は1年経過して、ちゃんと生えてきた上に、見た目が自然な感じの髪になることで、結果として技術が高かったということがせいいっぱいなのです。
でも、そのクリニックで手術を受けたすべての人の結果を知ることはできません。
ホームページの症例はごく一部ですし、ネット上の口コミも一部である上に、1年経っていない時期の口コミが多くて最終的にどうだったかわかりにくいことが多いです。
技術を体験して比べられない
食べたラーメンがイマイチだったら、そのお店には2度と行かなければよい。
美味しかったらリピーターになり、いきつけになる。
食事は何度でもできますから、試すということができる。
試して比較ができる。
なので、体験の意味が大きい。口コミはとても役に立ちます・
自毛植毛は複数回することはありますが、基本1回なので、体験してみるということができない。
1発勝負です。
受けた手術が良かったのかどうか、比較が難しい。
口コミに書いてあることが、ラーメンほどダイレクトに役に立ちませんね。
「技術が高いほど価格も高くなる」という市場原理は期待できない
いろいろ考えてみましたが、結局、患者側から見て医師の技術のスペックがはっきりわからないので、「治療費が高いと技術も高い」と捉えることはできないのです。
では、外科医のオレガミこと、私からはどう見えるかというと、価格は医師の技術だけで設定されていないということです。
むしろ、次の章でお伝えする、経営的な側面の影響が大きいということです。
そもそも、国民皆保険の日本は医師の技術に値段をつけるという経験がありません。
一部の自由診療を除き、手術の多くは、保険診療で行われています。
診療報酬は、医師の腕としての技術に値段がついているのではなく、術式Aは○○円、術式Bは△△円というように、手術内容で一律で治療費が決められています。
たとえば、虫垂炎の手術は、虫垂炎を治すために行う手術行為に治療費が決められているのであって、医師の腕についているわけではありません。
つまり、大学の教授でも、研修医でも、ゴッドハンドと言われる医師でも、治療費は同じなのです。
このため、日本は、自由診療でも医師の技術に値段をつけるということは、なじまないのです。
クリニックごとに、値段が決まっているところがほとんどです。
美容外科などでは、評判がよくなると治療費も上げていくことはあるとは思いますが、あくまでクリニックの治療費になります。
一般に、日本の医療は、技術を磨き単価を上げて売り上げを増やすことができないので、患者数や手術数を増やして売り上げを増やす方向に経営努力がなされるのです。
経営から見た価格
患者や手術件数を増やすという経営努力は、大切なことです。
経営が安定しないと、安定して患者治療にあたれないからです。
本来は、患者数を増やすためには、手術結果がいちばん影響力があるべきです。
しかし、前に述べさせていただいたように、手術結果って、なかなか伝わりません。
そこで、患者の利便性を高くすることに経営資源が投入されます。
- 交通の便が良い立地(駅チカ)
- 快適なクリニック(広い待合室、個室、ラグジュアリーな内装)
- マンパワーの充実
これを追求するほど、いきおい経営コストが大きくなります。
さらに、多店舗出店すると、さらに経営コストは高くなります。
この経営コストに見合う価格設定が必要になってきます。
もうひとつ重要な点は、自毛植毛は、特にFUE手術は、時間のかかる手術であるため1日にできる件数が限られていることです。
株数にもよりますが1件に3~7時間かかりますので、通常は日に1~2件しかできません。
医師は手術だけしているわけではなく、診察や植毛デザインを作ったりする時間も必要です。
休日も必要ですね。
つまり、医師が1人で手術件数を増やそうとしても限界があるわけです。
そこで、手術件数を増やすためにどうしたら良いかというと、執刀医師を増やせばよいのです。
そうすると別の問題、医師間の技術の差という問題が生じます。
全医師が、代表執刀医師レベルであれば良いのですが、必ずしもそうはならない。
医師の技術レベルに応じて価格設定できれば良いですが、それはできない。
ただ、新しい医師も、代表執刀医師が確立した手術術式、手術器具、手術哲学を学ぶため、手術技術向上に熱心で、豆を箸でつまめる程度の器用さがある医師なら、高い技術を身につけることは可能と思います。
手術件数を増やすもう一つの方法は、優秀なアシスタント(看護師)を養成することです。
自毛移植の工程は、大きく分けて
- 株の採取
- 株分け
- 植毛
の3工程です。
アシスタントが、どの工程に関与するかというと、全工程です。
もちろん、医師の指導の下で行われます。
その中で、❶の採取は、医師が執刀するところがほとんどです。アシスタントは医師を介助します。
次の❷は、アシスタントが行うところがとほんどです。
本来は医師がやる方がベターですが、医師の指導を十分に受けて医師並みにできるアシスタントは多いと思います。
❸の植毛は、医師が行うところと、アシスタントが行うところに分かれます。
このように、アシスタントが担う工程が増えるほど、医師は1日にこなせる件数が増えます。
経営という観点からみると、自毛植毛の治療費は必ずしも医師の技術を反映したものではなく、経営の観点も影響してくることがわかります。
治療費だけではわからない本当のコスパ
では、患者の立場から、自毛植毛の治療費について考えてみたいと思います。
自毛植毛は、けっして「安かろう悪かろう」ではないことがわかりました。
安めの設定でも技術の高いところはあるということです。
では、値段重視で安いクリニックを選べばよいのでしょうか?
外科医のオレガミこと、私は、けっしてそうは思いません。
なぜかというと、この選択は手術の選択だからです。
AGAの治療薬の場合、安さ優先で選ぶのはけっして間違っているとは言えません。
少なくとも効果に関しては、処方する医師の技術や治療哲学とは関係なく効きます。
フィナステリドやデュタステリドは後発品でも同様に効きます。
副作用も同様です。
医師間で、お薬の使い方に多少の差はあるとは思いますが、大きな差ではありません。
ところが、こと手術に関しては、手術の考え方や技術にかなり差があると言わざるをえません。
まず、次の基本技術について。
- 採取率
- 生着率
コスパに限って考えます。
同じ治療費で採取率と生着率が低かったら、かなり損したことになります。
では、安くて採取率と生着率が低かった場合と高くて採取率と生着率が高かった場合はどうか?
仮に、この2つのケースで、生えた毛1本にかかった金額が同じだったとします。
私なら、「高くて採取率と生着率が高かった」方がよかったと思います。
なぜか、採取率と生着率が低いということは、利用できずに失っている後ろ髪の毛が多いということです。
こう考えてくると、価格ではなく採取率と生着率、つまり技術で選ぶべきであることが浮かび上がってきます。


また、自毛移植で満足するためには、単に効率的に生えればよいだけではありません。
生えた結果、髪が自然に見えるかという観点も重要です。
これは高等技術です。
もし、髪は生えたけど、生え際が不自然で、嫌になったら、費用が安い高いの問題ではなくなってしまいます。
修正のために再手術を受けるとなったら、よけいに相当な費用がかかってしまいます。
髪の再現のために必要な株数の計算や植毛の配分も大切です。
- 自然な髪の再現
- 希望の髪を再現するために必要な株数の最適化と配分
こうしたデザイン的な技術は、患者にとって、採取率と生着率よりも、わかりにくいかもしれません。
しかし、長期的な満足のためには、もっとも重要な技術です。
この満足感は、もはや、価格では議論できない領域と思います。




採取率と生着率、そして、髪の再現方法を優先してクリニックを選びたいところです。
その結果、選んだクリニックの治療費が高かったら、カウンセリングの時に、なぜ他より高いかを尋ねましょう。
「当院は、生着率を高めるため、他のクリニックが行っていない○○という手間のかかる工程を加えているので、価格が高めになっております。」
「当院は、自然な髪を再現するために、すべてのスリットを周囲の毛流れや毛の角度に合わせて作成するため、時間がかかります。その分、高めになっています。」
このような回答があれば、納得できるし、高いと思わなくなりますね。
逆に、選んだクリニックの治療費が安かったら、少し技術への不安もあるかもしれませんので、やはり尋ねましょう。
「当院は、技術が高く手術操作が速いため、手術1件にかかる人件費が低いのです。その分を価格に反映できています。」
このような回答があるかもしれません。そしたら、逆に安心しますね。
技術ファーストで選び、価格は尋ねてみる。
こんなスタンスが良いのかもしれません。








